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きまぐれ日記

About

8ミリフィルムを使って映画をつくってみませんか。
新作の制作はなかなか厳しい環境ですが、大丈夫です。

フィルムはフジとコダックがなくなりましたが、しっかりサードパーティーが販売しています。
撮ったフィルムは、自家現像をしましょう。安くできます。
こもれび倶楽部〜自家現像〜
わたしが所属している「8mmFILM小金井街道プロジェクト」では、年に何回か自家現像
ワークショップをやっておりますので、こちらもご活用ください。
8mmFILM小金井街道プロジェクト
料金が少々高くなってもいい方は業者の現像サービスを利用してください。

はじめて8ミリをやってみたいけどカメラがないとか、フィルムの購入先がわからないとか、
できあがった作品をみたいけど映写機がないとか、どうやって映写機を入手したらいいかなど
お悩みがありましたら、お気軽に8mmFILM小金井街道プロジェクトの月例会に
おでかけください。


できた作品には、音をつけると見違えるように映画らしくなります。
まずは、昔はどうやって8ミリに音をつけていたかをフィルム・カメラ・映写機・編集機の順に
ご説明します。
そのあと「いま、サウンド8ミリ映画をつくる」方法についてご紹介します。



このマニュアルの制作にあたって、8mmFILM小金井街道プロジェクトの佐竹章一氏
(銀塩カメラ・映写機コンサルタント)よりお力添えをいただきました。
ここに感謝を申しあげます。




1.サウンドフィルム

8ミリのサウンドフィルムには、光学フィルムと磁気フィルムとがあります。

1.光学フィルム

  

  光学フィルムは、DVDなどがなかった時代に、映画館で上映された映画を家庭内でも
  楽しめるよう、35ミリから8ミリにトラックダウンしたフィルムが市販されていました。
  その音声は、35ミリ映画と同じく「光学方式」といってフィルムの端に印刷した濃淡による
  明るさの変化を音声に変換するものです。
  この方式は、標準的なサウンド映写機で映写できますが、自分で音入れすることはできません。


2.磁気フィルム

  

  個人レベルでの音入れを可能としたのが、コダックが1973年(日本では1974年)に発売した
  「エクタサウンドシステム」です。
  コダクローム(ASA64)とエクタクローム(ASA160)に磁気ストライプを塗布した
  フィルムが発売されました。
  エクタサウンドカメラと称して、同時録音型の撮影機も出ました。
  フジフィルムは1976年にサウンドフィルムと撮影機を発売しています。
  
  マイクがついた同録サウンドカメラを使って専用のフィルムを装填して撮影したフィルムは、
  現像すると音付きの作品になりました。
  いまのビデオカメラでは当たり前のことですが、当時としては画期的なことでした。
  また、富士フィルムの「アフターコーティング(現像後のサイレントフィルムに磁気帯を塗布する)
  サービス」を利用、あるいは磁気帯が塗布されたサイレントカートリッジ入りのアフレコフィルムで
  撮影すれば、現像後に映写機を使って自分で音声を入れて音付きの作品を制作することができました。

  なおサイレントで撮影したフィルムでも、業者のサービスを使ったり、自分でマグネストライパー
  という特殊な道具を使って、フィルムに磁気帯を貼り付ける方法でアフレコができるフィルムに
  させることができました。

  マグネストライパーの例
  
   (c)エルモ社

  
  左端がサウンドフィルム(下部に音声ヘッドがある)(c)シネマ映像館


3.サウンドフィルムの規格
  
  



2.サウンド(同録)撮影機

 サイレンドオンリーの時代に音付きの作品を制作するには、デンスケと俗称された携帯用のテープ
 レコーダー等で音声を記録して、映写機のスタートと同期をとるシステムにより実現していました。
 極めてマニアックなシステムで高価でしたので、わたしには手が届きませんでした。

 この悩みを解消してくれたのが、フィルム撮影時に同時録音ができるのサウンド撮影機です。
 これでビデオカメラと同じように、映像撮影と同時に音声も簡単に記録することが出来るように
 なりました。
 この撮影機は、普通(サイレント)のカートリッジに入ったフィルムを装填して撮影することも
 できます。

  
  c)ペンギンカメラ

  →撮影事例(制作中)






3.サウンド映写機

1.サウンド映写機の構造

  磁気音声の録音再生ヘッドが映写コマよりも18コマ先に設けられています。
  光学音声の再生ヘッドは同じ位置におけないため、20コマ先になっています。
  オープンルールのテープレコーダーのようにこの録音再生ヘッドでフィルムの磁性帯部分の
  情報を読み取り、内蔵のオーディオアンプ(増幅機)で音声をスピーカーにだしています。

  

  
  (c)S.SATAKE

  
   フジカSH−9(2トラック)



  (c)S.SATAKE




2.サウンド映写機の3つのタイプ

  サウンド映写機には、モノラル(1トラック)、2トラック、ステレオの3つのタイプがあります。


  1.モノラル(1トラック)映写機

  
  エルモST−800

  
  フジカSH−9

  このタイプの映写機には、サウンド・オン・サウンド(SOS)と称する機能がついた機種が
  あります。
  8ミリ映画の音声は、現場の生音とナレーションとBGMの3つで構成されるのが一般的ですが
  1トラックしか録音再生できない制約のなかで、これを実現させる方法として編み出されました。
  第1トラックに録音されている音声に、部分的に上書きする方法で実現させています。
  ただ、一度この方法で録音をしてしまうと、もとには戻せません。
  失敗が許されない”一発勝負”の方法であり、やるときは緊張しましした。

  


  2.2トラック映写機

  
  エルモST−180

  2トラック映写機はステレオではありません。
  ステレオ音源を使って、アフレコしようとしてもステレオにはなりませんのご注意ください。
  使い方としては、たとえばナレーションを片チャンネルに録音し、BGMを残りのチャンネルに
  録音します。
  また同録カメラで撮ったときなどは、同録の音はメイン(太いほう)の第一トラックに録音されて
  いますので、サブ(細いほう)の第二トラックのほうにBGMを入れるような使い方をします。
  智慧を使って1トラックでの問題に対処したユーザーオリエンテッドな製品です。

  


  3.ステレオ映写機

  
  エルモGS−800

  



3.機器の操作と接続方法

  映写機と音源機器とは、プラグつきコードを使ってライン接続をします。
  映写機のほとんどの端子は、ミニジャックですので、ミニプラグ(モノラル・ステレオ)の
  コードを使います。
  直径は3.5ミリです。
  なお、プラグには2.5ミリのミニミニプラグ、6.5mmの標準プラブというものもあります。
  機器のインピーダンスが 小さい場合は、抵抗入りの高インピーダンスコードを使う必要が
  あります。
  

  エルモST−800(モノラル)

   

  


  エルモST−600(2トラック)

   

  


  エルモGS−800(ステレオ)

   

  



  ミニプラグの形状

    
  モノラルミニプラグ              ステレオミニプラグ



  ICレコーダーと映写機との接続例

    
  ST−800                GS−800
  ICレコーダー側はステレオミニプラグ    ICレコーダー側はステレオミニプラグ
  映写機側は、モノラルミニプラグ       映写機側はステレオ音声が左側と右側に分岐するプラグ





4.サウンド編集機

映写機なんですが、少しでも音声の編集がしやすいようにした、変わり型の編集機もありました。
サウンド編集に特化したものも登場し、わたしもGOKOのRM−9000を使用しました。

  

  映写機(エルモSC−18)(c)IDシステム研究所

  
  サウンド編集機(GOKO RM−5000)(c)8mm技術保存研究所





5.いま、サウンド8ミリ映画をつくる

 8ミリが販売されていた当時は、8ミリは自分で映像を記録できる最先端機器でした。
 現代の8ミリも、「アナログ」に拘らずに「デジタル」を活用して楽しみましょう。

 現在では残念ながら、同録用のフィルムもカメラもありません。
 アフレコ用のフィルムもありませんので、サウンドフィルムにはできません。
 マグネストライパーを使って自分でアフレコ用フィルムに加工する道は残されていますが、
 使える機材の入手が困難、かつ非常に高度の技術を必要とするようで一般的ではありません。

 そのかわりに原始的な方法ですが、サイレントフィルムを映写にあわせてCDなどの音源を流す
 方法にします。
 サウンドフィルムの音は狭い磁性帯ですので音質に限界がありますが、別音源であれば、映画館の
 ような迫力あるサウンドも実現できます。
 映写にあわせて音声を流すのはラクではありませんが、撮影から上映まで一貫して自らの手を使って
 表現することになり、その行為全体が個人芸術です。

 「アナログがいい」とか「アナログのほうがいい」とはいいません。
 このデジタル全盛時代のなかで、デジタルも活用してアナログのよさを味わいましょう。

 具体的には、8ミリ作品制作工程のなかで、ビデオを活用します。
 上映するときは、テレシネした作品のビデオ映像をモニターして、映写機の上映速度を調整して
 音声のタイミングをあわせて上映します。。
 「アナログ」と「デジタル」の両方を使って、サウンド8ミリ映画を楽しみましょう。


 ここでは、2012年春に制作した「HANAKO」という作品の制作過程にそって、
 サウンド8ミリ映画の作り方をご紹介します。


1.企画

 サウンド8ミリの作例とする。
 このため音声に凝って、生音とナレーションとBGMの3つを使う。
 生音は、一人で撮影するためにカメラと一体化させたマイクを使って録音する。
 ナレーションは自分自身のリップシンクロとする。

 撮影した映像は簡易テレシネによりビデオ化し、ビデオ編集ソフト上で仮想編集し映像として
 ファイナル化させ、そのうえでフィルムを切り貼りして完成させる。
 完成したら再度簡易テレシネをし、ビデオ編集ソフト上で映像のタイミングにあわせて音声を
 編集する。
 音声まで完成したら、音声だけを音声ファイルとして保存し、これをMP3プレーヤーや
 CDなど使用したい媒体に取り込み、映写時に使用する。

 撮影場所は、自分が住む町の駅周辺とし、音響効果を狙って街道を走る車の音や横断歩道の音、
 電車の踏切の音などを取り込む。
 BGMは、公開することを考えて、著作権フリー音源を使用する。


2.機材


 @カメラ(キャノン518SV、シングル8)

  


 AICレコーダー(サンヨーICR−PS004M)

  非圧縮のPCM(WAVE)録音
  


 B外付けマイク(パナソニックVW−VMS2)

  

  マイクはブラケットを介して、一体化します。
  むかし室内撮影時のシネライト用に使ったものがありましたので、これを使います。

  サウンド撮影機時代には、カメラについたマイクがカメラの駆動音を拾う問題がありましたが、
  今回もカメラとマイクの位置が近接しているために同じ問題があります。
  マイクをカメラから出来る限り離した位置にし、モノラルになりますが指向性の強いガンマイクを
  使うとよいと思います。
  今回は、電車やバスの動きをダイナミックにステレオで記録する目的のために、あえてステレオ
  マイクにします。


 Cビデオ編集ソフト(ビデオスタジオ12プラス)

  →ビデオスタジオ12プラス レビュー(AllAbout)


 D映写機(エルモST−800改造機)

  
  テレシネ用に速度調整ができるサウンド映写機を持ってますので、これを使います。
  サイレント映写機でも十分です。

  


3.撮影と録音

 撮影は簡略なコンテを用意して、これに沿って行いました。
 録音は、事前に録音予定現場でテスト録音して音声の具合を確認しておきました。

 撮影のほうは問題なくできましたが、音声録音は問題ばかりの結果となりました。
 撮影当日は風があり、その風切り音がでてしまいました。
 ステレオ感を表現するためにガンマイクでなく普通のステレオマイクにし、風切り音を
 カットするためのカバーなしで録音したところ、風の音がひどく強く記録されていました。
 また カメラとマイクの位置は、むかしの同録カメラと同じくらに離してセットしたのですが、
 マイクがカメラの駆動音を思った以上に拾ってしまいました。
 このため、リップシンクロをみせるために、はじめとおわりの自分が喋っているカットの
 音声は使用できず、あとからナレーションだけ録音して映像にあわせました。
 しかし、作業のつめがあまくリップシンクロにはなっていません。
 録音の難しさを痛感した次第です。

  


4.映像編集

 撮影した映像を簡易テレシネによりビデオ化します。
 この段階は、フィルム編集のためのものですから、18コマのままでフリッカーがでていても
 かまいません。

 そのビデオを使って、ビデオ編集ソフト上で仮想編集を繰り返し、映像をファイナル化します。
 そのうえで完成したビデオに従って、実際にフィルムを切り貼りしてフィルム編集をします。
 この方法なら、編集でフィルムの順番を間違えたとか、カットの長さがよくなかったとかの
 問題がでにくくなりますので、ストレスなくフィルム編集ができます。

  



5.音声編集

 フィルム編集が完成したら再度簡易テレシネをします。
 ここでも、映像は音声を追加するタイミングをみるためですので、フリッカーがでていても
 構いません。

 ビデオ編集ソフト上で映像のタイミングにあわせて音声を編集します。
 音声のフェードやオーバーラップで、音声としての効果をつけます。
 音声編集作業は、映写機の録音機能を使うと大変に難しいのですが、このビデオソフト上での
 編集は実に簡単です。
 「すべてアナログ」なんて意味がありません。便利なものは活用しましょう。

 音声まで完成できたら、音声だけを音声ファイルとして保存し、これをMP3プレーヤーや
 CDなど使用したい媒体に取り込み、映写時に使用します。
 また、フィルム上映以外にも気軽に楽しめるように、作品を簡易テレシネをしてビデオ化して
 おきましょう。
 →こもれび倶楽部〜簡易テレシネ〜



6.上映

 上映時は、映写機の横でそうやって制作した作品ビデオをモニターしながら行います。
 映写機はスピード調整できるものを使います。
 サイレント機はスピード調整機能があります。サウンド機の場合はその機能のない機種がほとんど
 ですので、あらかじめ映写テストをしてスピード調整をしておきます。
 →こもれび倶楽部〜映写機の保守と整備〜
 そのうえで、映像にあわせて音声スタートです。
 音声は、アンプとスピーカーを使って迫力ある音にしたいものです。



7.作例「HANAKO」

  →YouTube

 フィルム自家現像の最終水洗が十分でなかったために、フィルムにゴミが残っています。
 また、テレシネのときの映写スピードが完璧でなかったために、わずかにフリッカーが
 でています。





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