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 Music/私の戦後昭和流行歌EXTRA〜女の哀歌〜
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  わたしの戦後昭和流行歌EXTRA〜女の哀歌〜 (私家版アルバム)

戦後昭和流行歌のなかからわたしが好きな女性歌手の哀歌をあつめました。
西田佐知子・ちあきなおみ・五輪真弓は、私家版アルバムがあるので除いています。
「港のカラス」は平成に入ってからリリースされた曲ですが、昭和の雰囲気が漂っており
アルバムに取り込みました。

 1.川は流れる(仲宗根美樹)
 2.新宿ブルース(扇 ひろ子)
 3.新宿の女(藤 圭子)
 4.さすらいの町(中尾ミエ)
 5.さいはて慕情(渚 ゆう子)
 6.八月の濡れた砂(石川セリ)
 7.京都から博多まで(藤 圭子)
 8.北信濃絶唱(野路由紀子)
 9.空港(テレサ・テン)
10.池上線(西島三重子)
11.白い花(山崎ハコ)
12.水中花(あさみちゆき)
13.やつしろ草(八代亜紀)
14.あかね雲(梶 芽衣子)
15.晩夏(梶 芽衣子)
16.矢車の花(北原ミレイ)
17.哀しみ本線日本海(森 昌子)
18.港のカラス(あさみちゆき)



1.川は流れる
作詞:横井 弘
作曲:桜田誠一
歌唱:仲宗根美樹
発売:昭和36年11月

「川は流れる」を検索
「ワクラバ」という日本語、ズームアップしたワクラバから画角は一気にひろがり、川が、街がみえてきます。
そしてひとが、時の流れが・・・

古い時代の詞ですが、空間と時間を自在に扱っています。
最後の「嘆くまい 明日は明るく」という言葉は、戦後の厳しい時代、わずかに光明がさしはじめた時代のなかで、
当時の大人たちにとってはうわっつらでなく実感のこもった励ましの言葉だったと思います。

ゆったりとして、しんみりとしたメロディーにのせて、仲宗根美樹の人生の裏も表も知りつくしたような声が流れます。
詞と曲と歌い手との3人の掛け算で生まれた名曲です。
仲宗根美樹はわたしと同じ昭和19年生まれ、このうたがヒットした昭和35年はまだ高校生でした。
大人の雰囲気が漂う、あこがれのお姉さんでした。



2.新宿ブルース
作詞:滝口暉子
作曲:和田香苗
歌唱:扇 ひろ子
発売:昭和42年3月

「新宿ブルース」を検索

ヒットした頃は、暗く地味な曲で、わたしにはいまひとつそのよさがわかりませんでした。
聴き直してみて、扇ひろ子の歌唱力にビックリしました。
地声は女性としては太く低いのですが、高域に切り替わったときの発声には凄いものがあります。
そして、「ん」で流すハミング部分が、なんともいいですね。

日活の任侠映画女優だった印象が強いですが、もともと歌手であり、いまも全国で歌手活動を続けており、
広島で生まれてすぐ被爆し父を亡くした体験から、「一本の鉛筆」という歌も歌いひろめています。
「新宿ブル−ス」は、そうした扇ひろ子の歌唱力がきわだっています。



3.新宿の女
作詞:石坂まさお・みずの稔
作曲:石坂まさお
歌唱:藤 圭子
発売:昭和44年9月

「新宿の女」を検索




4.さすらいの町
作詞:山口あかり
作曲:鈴木 淳
歌唱:中尾ミエ
発売:昭和44年12月

「さすらいの町 中尾ミエ」を検索




5.さいはて慕情
作詞:林 春生
作曲:筒見京平
歌唱:渚 ゆう子
発売:昭和46年

「さいはて慕情」を検索

渚ゆう子は上手な歌い手でした。
京都の恋(1970年)、京都慕情(1970年)、さいはて慕情(1971年)、長崎慕情(1971年)と
短期間にヒットを連発しています。
みんな美しい曲です。



6.八月の濡れた砂
作詞:吉岡オサム
作曲:むつひろし
歌唱:石川セリ
発売:昭和47年3月

「八月の濡れた砂」を検索

昭和31年の「太陽の季節」以来、隆盛を極めた日活映画も、映画人気の下降と放漫経営から破綻し、
生き延びるためのロマンポルノ路線へ転換してゆきます。
その旧日活体制での最後の作品が、昭和46年8月に封切された「八月の濡れた砂(藤田敏八監督)」です。

この楽曲は、極めてユニークであり、流行歌でも歌謡曲でもない、まさに映画のための主題歌です。
「石川セリ」の歌唱以前に、アルパの音色が「とき」や「場所」から隔絶された不思議な世界を鮮やかに表現しています。
昭和47年という時代に関係なく、いつ聴いても新鮮な名曲です。

横道にそれますが名曲といえば、「石川セリ」のご主人「井上陽水」による「少年時代」は”神曲”ですね。
歌謡曲とかクラシックとかのジャンルに関係ない完全なる音楽だと思います。
こんな音楽を生み出した陽水は天才だと思いませんか。
「少年時代 井上陽水」を検索



7.京都から博多まで
作詞:阿久 悠
作曲:猪俣公章
歌唱:藤 圭子
発売:昭和47年7月

「京都から博多まで 藤圭子」を検索
「藤圭子」を、薄幸の少女のイメージから大人の女性に変身させることを企画して、つくられた曲です。

作詞は、阿久悠。
「津軽海峡冬景色」の大ヒットよりさかのぼる5年前、昭和47年の作品です。
京都から博多を舞台に、ひとりの女性の物語が、目に浮かぶようにつづられています。

猪俣公章の手になる曲は、出だしの管楽器のメロディーが、これからはじまる物語を予感させます。

美しくも哀しい歌詞とメロディー、そして藤圭子の情感のこもったかすれ声、
「京都から博多まで」は間違いなく「昭和演歌ナンバーワン」の名曲です。

暗い静かな部屋でおききになってみてください。流れ行く女の姿が浮かんできます



8.北信濃絶唱
作詞:西沢裕子
作曲:渡辺岳夫
歌唱:
野路由紀子
発売:昭和49年7月

「北信濃絶唱」を検索

「野路由紀子」はすごく素人っぽく、真面目で堅い感じの歌手でした。 
良家のお嬢さんのような美しいひとです。
子供のころから歌が大好きで、美空ひばりのようになりたいと単身福井県から上京。
昭和46年のデビュー曲「わたしが生まれて育ったところ」は、TBSテレビ「ロッテ歌のアルバム」の第一回「今月の歌」に
選ばれ大ヒットとなりました。

その土くさい歌声をきいていると、彼女が生まれ育った土地やひとりの女としての個性のようなものが感じられます。
年々ひとの個性が薄くなってきていますが、戦後も昭和40年代まではまだまだ復興期、ひとびとにはそれぞれが育った
土地のなまりや、そのひとだけの人間的な個性が強く残っていました。

数十年ぶりにこの歌に再会して、すぐに「野路由紀子」という名前が浮かんできました。
歌手としての活動を再開されているのは嬉しいことです。



9.空港
作詞:山上路夫
作曲:猪俣公章
歌唱:テレサ・テン
発売:昭和49年7月

「空港 テレサ・テン」を検索

猪俣公章の曲です。「京都から博多まで」とよく似ていますが、これまた名曲です。



10.池上線
作詞:佐藤順英
作曲:西島三重子
歌唱:西島三重子
発売:昭和51年4月

「池上線 西島三重子」を検索

伝説の名曲です。



11.白い花
作詞:山崎ハコ
作曲:山崎ハコ
歌唱:
山崎ハコ
発売:昭和51年5月
    LP「綱渡り」に収録

「白い花 山崎ハコ」を検索





12.水中花
作詞:阿久 悠
作曲:井上忠夫
歌唱:あさみ ちゆき(カバー)
発売:平成21年8月(CD)
    あさみのうたX〜Meets阿久悠〜
オリジナル:井上忠夫(昭和51年5月)

「水中花 あさみちゆき」を検索

「水中花」は昭和51年に井上忠夫がソロでのファーストシングルEPとして、またLP「井上忠夫ファースト・水中花」として
リリース、のちに「木の実ナナ」や「倍賞千恵子」らがカバー、それぞれにヒットした味わいのある曲です。 

この「水中花」を「あさみ ちゆき」がCDアルバム「あさみのうたX〜Meets阿久悠〜」のなかで歌っています。
先輩たちの歌もよかったのですが、「あさみちゆき」のうたは絶品です。
先輩たちのそれは、どちらかというとメロディーに負けて歌い方が平板な感じがしますが、「あさみ ちゆき」版は
しっとりとした情感がこもっており、明らかに先輩たちのうたを凌駕したと思います。

彼女は演歌調の地声がベースの歌い手ですが、そのなかに裏声が入ると歌のこころが鮮やかにうかびあがります。
「井の頭線」はじめ、これまでの彼女のうたの中でも部分的ですが効果的に裏声が使われていました。
この「水中花」では、はじめて本格的に裏声をふんだんに生かして、うたの新しい境地を開いています。
いつもの「あさみ ちゆき」のつもりできいていたら、泣くような裏声が現れてきて強くこころを打たれました。
是非きいていただきたい1曲です。



13.やつしろ草
作詞:鈴木道明
作曲:鈴木道明
歌唱:
八代亜紀
発売:昭和52年
    LP「華麗なる女心」に収録

「やつしろ草 八代亜紀」を検索



14.あかね雲
作詞:浅木しゅん
作曲:新井利昌
歌唱:
梶 芽衣子
発売:昭和53年6月

「あかね雲 梶芽衣子」」を検索

この曲は掘り出し物です。
「寅さん」か民謡のようにスローな曲で、”南京豆”とか”鳥打帽”とか懐かしい日本語の歌詞をきいていると、
昭和30年代にいるような気分になります。



15.晩夏
作詞:吉田 旺
作曲:杉本眞人
歌唱:梶 芽衣子
発売:昭和54年8月

「晩夏 梶芽衣子」を検索




16.矢車の花
作詞:小谷 夏
作曲:中村泰士
歌唱:北原ミレイ
発売:昭和55年8月

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17.哀しみ本線日本海
作詞:荒木とよひさ
作曲:市川昭介
歌唱:森 昌子
発売:昭和56年7月

「哀しみ本線日本海」を検索




18.港のカラス
作詞:高田ひろお
作曲:杉本眞人
歌唱:
あさみ ちゆき
発売:平成15年12月(CD)

「港のカラス」を検索

平成15年に、「あさみ ちゆき」の歌唱で発売された曲です。
作曲は「杉本眞人」さん。
「杉本眞人」さんによるその後の大ヒット「吾亦紅」にも共通するゆったりとしたテンポと年寄りにも聴きやすい楽器編成で
よく考えられた作品です。
杉本さんは、写真家の荒木経惟さんにも似たメガネの楽しそうなおじさん(おふたりに失礼いたします)ですが、
大変な才能の持ち主、わたしが大好きな作曲家です。ご自分でうたも歌います。
作品としては、ちあきなおみの「かもめの街」「冬隣」「紅い花」、このページでも紹介している梶芽衣子の「晩夏」、
あさみちゆきの「青春のたまり場」「聖橋で」「鮨屋で・・・」「砂漠の子守唄」など、いずれも情感に溢れた曲です。

そして「あさみ ちゆき」。

いま「大人のための歌」「長く愛される歌」が求められています。
「あさみ ちゆき」は、彗星のように現れた個性豊かな歌い手たち、そのなかでも”美しい日本語を使い説得力の
ある歌い手”として、NHK「クローズアップ現代」で紹介されています。

山口県から上京し、井の頭公園でラジカセひとつでストリートライブをはじめ、苦労を重ねてここまできました。
全国をかけめぐる忙しいスケジュールになったいまも、自分を育ててくれたファンへの恩を忘れずに、井の頭公園での
ストリートライブを続けています。
若いのに立派なひとです。そしてプロとしてつらいことも多いと思いますが、いつも明るく元気です。

「井の頭公園の歌姫」のことは、”以前に新聞の地域版に記事があったな”という程度の記憶しかありませんでしが、
偶然に「青春のたまり場」という曲に出会い、いま自分が求めている歌い手はこのひと「あさみ ちゆき」だと確信しました。
歌謡曲・ポップス・フォークを愛されてきた団塊の世代の皆様に「あさみ ちゆき」のうたをおすすめします。
「阿久 悠」さん最後の秘蔵っ子です。

→「あさみ ちゆき」オフィシャルウェブサイト:井の頭公園の歌姫 あさみ ちゆき  



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